日本海沿いを行く石油貨物列車 – 東北地方に石油を運ぶ

2011-4-4 13:41

(2011年4月現在)東北の被災地に石油を届ける臨時の貨物列車が運行されている。その出発の様子は被災地向けの石油輸送列車が根岸から出発の記事でもお伝えした。

上越線で長岡から信越・羽越・奥羽本線を経由して青森へ。そこから東北本線を南下して盛岡へと運ばれている。まだ雪の降る被災地へ灯油やガソリンを届けている。

EF8110 タキ1000 石油輸送

写真の列車は緑色のタキ1000で構成された編成で、牽引機のEF81 10号機は3月改正で休車となる予定だっものの、急遽臨貨の任に当たっている。

日本海縦貫線でEF81が石油タンク列車を引いたことは、少なくとも近年は無かったはず。関東地区でも石油輸送にEF81が充当はされていなかったばずなので珍しい光景だ。

昨年の焼島紙輸送がコンテナ化されてからは、日本海縦貫線では専用貨車による車扱い輸送もなくなり、コンテナ輸送のみが行なわれていた。

災害による迂回輸送により鉄道貨物の強さを見せつけられた。関係者の強い想いと努力が実を結んだ結果だと思う。

この臨時便は東北本線が復旧する4月中~下旬まで続くと思われるが、復興に向けて奮闘する鉄道貨物を応援したい。

2012年9月7日追記

東日本大震災による津波で被害を受けた JX 日鉱日石エネルギー仙台製油所からの石油製品の鉄道輸送が1年半ぶりに再開された。

河北新報のニュースによれば仙台臨海鉄道は仙台港から陸前山王駅まで全面復旧となり、すでに 7日より運行が再開されたとのこと。12日には記念式典が行なわれる予定となっている。

当面の石油製品輸送は、仙台北港-盛岡貨物ターミナル間で1日2往復、仙台北港-郡山間で1往復する。

また今回の出荷再開に伴い、JX根岸製油所から郡山および盛岡貨物ターミナルへの出荷が9月6日の 9073列車をもって終了したのこと。

上越線・羽越線・磐越西線を経由指定輸送されていたとき「命の列車」とまで呼ばれてニュースにも取り上げられ、東北本線の再開後は東北本線経由となり運行されていた。その後は話題になることもなく、ひっそりとした幕切れとなった感はあるが、1年半のあいだ、東北の生活を支えたことになる。関係者の皆さんの努力に敬意を表したい。

なお、前述の河北新報の記事によれば、日本製紙石巻工場の生産回復に伴い、10月9日より、貨物石巻港-陸前山下間で運行を再開するそうだ。

震災で休止中のJR貨物石巻港-仙石線陸前山下間(石巻市、1.5キロ)は、日本製紙石巻工場の生産回復に伴い、10月9日に運行を再開する。当面は1日3往復で、2往復は紙製品を輸送し、1往復は災害廃棄物(がれき)専用列車とする。

復興の足音が聞こえてくるのは嬉しいニュースだ。

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