リュック・ベッソン監督作品「アデル/ファラオと復活の秘薬」

2010-7-15 16:50

映画アデル/ファラオと復活の秘薬をお台場の映画館で観てきました。「リュック・ベッソンが放つ、ヒロイン×アドベンチャー超大作」という触れ込みです。

「レオン」「トランスポーター」シリーズなどのリュック・ベッソン監督なので色々な意味で期待していました。しかもヒロイックアドベンチャーなのですから。原作は漫画らしいのですがもちろん読んだことはありません。

しかし、結論からいうと面白い映画ではありませんでした。個人的には「トランスポーター」シリーズがわりと面白かっただけに、今回は拍子抜けです。以下ネタバレありで批評してみます。

冒険物といっても、インディ・ジョーンズのようにスリリングな場面が続くわけではなく、ヒロインも突拍子もない言動が多すぎます。明らかにユーモアに振った脚本も滑っているようで。たくさんネタが出てくるのですがイマイチ笑えません。つまらない漫才を延々聞かされているようなものでしょうか。もしかしたらフランス人にはウケるのかもしれませんね。

どうして作品がこうなってしまったのか考えますと、一番の原因は、やはり冒険家の主人公の冒険が物語の冒頭で終わってしまうことでしょう。予告編で流れるピラミッドの中で炎から逃れて棺桶に飛び込むシーンは秀逸ですが、それが前半30分で終わってしまいます。そこがクライマックスならねえ。 また、アデルが持ち帰るミイラの話と、序盤から同時進行している翼竜復活のエピソードが、関係ない話のようにして進むことが、わかりにくくしていると思います。CG の翼竜の動きがちょっとぎこちなかったのも興ざめする部分でしょうか。

脚本の上では、妹の命を救うために奔騰しているアデルが描かれている一方、処刑寸前の博士をアデルが救う際に、別の人がギロチンの餌食になるシーンがギャグとして描かれているなど、正直笑えません。理解を超えています。あと風呂でのアデルのヌードシーンも必要性がわかりません。サービス?

そしてラストでアデルがタイタニック号に乗り込むシーンがありますが、あからさまに続編を意識しているようです。しかしジェームズ・キャメロンの『タイタニック』を超えるものは無理でしょうから、アデルは今作で封印してしまったほうが賢明でないかと思えるのですが……。

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