東京都写真美術館「ジョセフ・クーデルカ プラハ1968」「こどもの情景-戦争とこどもたち」

2011-5-30 09:00

東京都写真美術館で開催中の、コレクション展「こどもの情景-戦争とこどもたち」と、東京都写真美術館 を観てきました。ともに戦争がテーマです。

東京都写真美術館

1968年、ソ連とブルガリアやポーランド、東ドイツなどのワルシャワ条約機構軍による突然の侵攻により、チェコスロバキアは占領されます。プラハの街では非武装の市民が立ち上がり、侵攻してくる戦車に立ち向かい、またラジオ局を防衛します。

その様子を中心部で捉えた写真家がジョセフ・クーデルカです。彼による写真は秘密裏に米国に持ち出され、翌年にマグナム・フォトの手により写真家の名前が伏せられたままメディア発表。匿名のままロバート・キャパ賞を受賞します。

作品の撮影者が明かされたのは1984年になってからのことです。こん会の展示会では、当時米国で発表された以外の写真も多数展示されています。生々しい迫力が伝わってきます。

また、3階展示室では、収蔵品の中から「こどもの情景-戦争とこどもたち」と題して、戦時下の日本や世界各地の赤ちゃんや子どもたちの写真が年代順に展示されています。

有名なW.ユージン・スミスの「楽園への歩み」を始め、木村伊兵衛、ブレッソン、ロバート・キャパ、東松照明など国内外の写真家がレンズを通して写した戦時下の子どもたちの痛々しい姿が伝わってきます。

第二次世界大戦以降も、世界各地で戦争や紛争が絶えません。この現実を言葉ではなく1枚で視覚的に伝えてくる写真というものの力は凄いと改めて感じます。だからこそ、やらせはあってはなりません。

一緒に行った母親もユージン・スミスの写真には心を打たれていたようです。私は山端 庸介の原爆投下翌日に撮影された「長崎ジャーニー」のシリーズの悲惨さが衝撃的でした。

「こどもの情景-戦争とこどもたち」は7月10日 ( 日 ) まで、「ジョセフ・クーデルカ プラハ1968」は7月18日 ( 月・祝 ) までとなっています。

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