東京都写真美術館「私を見て!ヌードのポートレイト」&「おんな−立ち止まらない女性たち−」

2010-8-16 13:00

昨日は朝から東京都写真美術館で開催中の写真展を2つ鑑賞してきた。

東京都写真美術館の写真展

1つは美術館収蔵品の中から展示する「私を見て!ヌードのポートレイト」展。もう一つは日本写真家協会創立60周年記念展である「おんな−立ち止まらない女性たち−」。その他2階でも別の展示があったが時間の関係でパス。2つ以上観る場合には割引がある。

東京都写真美術館の「おんな」展

「私を見て!ヌードのポートレイト」は東京都写真美術館が所蔵しているプリントからの展示。午前中にもかかわらず若い女性も一人でたくさん見に来ていたのが印象的だった。しかしこの写真展のタイトルはなんか変な感じがする。被写体が自己主張している写真ばかりと思えてしまうが実際にそうではないでないからだ。

国内外の多数の写真家により取られたポートレートはほぼ年代順でテーマごとに分けて展示されている。100年以上の絵の古いものから現代のポートレートまで様々だった。よかったのはモノクロの紙焼き・銀塩プリントを直接観ることができた点である。

写真が普及し始めた頃、まだ生々しい一般人のヌード写真は嫌われ、そこからソフトフォーカスなどの技法が編み出されていったという。ソフトフォーカスレンズを自ら開発した Emile Joaschim Constant Puyo の裸婦写真はまるで絵画のような仕上がりだった。

マン・レイ, ジャンル-・シーフ, メイプル・ソープ, 荒木経惟, 沢渡朔, 秋山庄太郎, 篠山紀信, 細江英公などの写真も展示されていた。なかでも中村立行のヌード写真が今回の私のお気に入りだ。この人の写真はすごいバランスが整えられているのがわかった。

続いて地下で行なわれている日本写真家協会(JPS)の「おんな」展を鑑賞。JPS 創立60周年記念展ということで10万枚を超える写真の中から選ばれた200以上の写真が展示。こちらは紙焼きではなくパネルとしての展示だった。会場にもプロの写真家っぽい人たちがたくさん来ていた。

こちらは女性を写した写真作品年代順に並べられており、戦後の復興の時代から高度成長を通じて成長・成熟していく時代を女性の写真という視点で感じ取ることができる。

木村 伊兵衛, 浜口タカシ, 田沼 武能, 立木義浩, 秋山庄太郎らのポートレイト写真もありますが、それに限らずスナップや報道などの写真も多数展示されていた。丸田祥三の「少女物語棄景Ⅳ」からの写真も。

こちらでも気になったのはやはり中村立行の写真。1946年にドラム缶の風呂に入る女性を捉えた「焼跡から」は素晴らしい1枚と感じた。また中村が浜村美智子を撮影した写真は「ヌードのポートレイト」展にも展示されていたがこちらにも。

この写真展では若くして亡くなった内野雅文の「ケータイと鏡」の写真が現代の若い女性の姿を捉えているようで良かった。パブリックな空間で平気で鏡に向かって化粧をする女性のプライベートとの狭間を感じさせてくれるのだった。

おんな 立ち止まらない女性たち: 日本写真家協会

本展の写真を収録した写真集『おんな 立ち止まらない女性たち』も刊行されている。

「私を見て!ヌードのポートレイト」は10月3日まで。「おんな」展は8月29日まででその後巡回がある。

(文中敬称略)

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